当院では、痛みを和らげる方法として、お薬の調整だけではなく、神経ブロック(ブロック注射)を行っています。
当院の神経ブロックの特徴は、レントゲン(透視装置)やエコー(超音波装置)を見ながら、行うブロックです。このような装置を用いることで、より正確で、より安全なブロックを行うことができます。また他院ではなかなかできないブロックをすることもできます。神経ブロックで痛みを和らげた後にストレッチなどのリハビリを行うことで、より痛みを改善する効果があります。(レントゲンや超音波装置を用いずに行うブロックもあります。)
神経ブロックとは
痛みの原因となっている部位の近く、もしくはその痛みの原ととなっている神経の近くにする注射のことです。お薬は局所麻酔薬を使用しますが、痛みが強い場合、炎症(腫れ)が強い場合などはステロイドと言われる炎症を抑える効果がある薬を使用します。
どのような効果がありますか?
痛みの伝達を遮断することで、痛みを和らげる効果があります。また、血流を促進する効果もあります。的確にブロックを行い、効果を判定することで、今まで原因がはっきりしなかった痛みに対しての診断につながることにもなります。また、痛みの悪循環(痛い⇒動かさない⇒血流が悪くなる⇒さらに痛くなる)を断ち切ることで、薬の効果が切れた後でも鎮痛効果が持続します。
どんな痛みに効果がありますか?
■頭痛
■顔面の痛み
■頚部から肩にかけての痛み
■胸背部の痛み
■腰痛(特にぎっくり腰)
■お尻の痛み
■太ももから足のかけての痛み(坐骨神経痛、脊柱管狭窄症)
など、体の各箇所の痛みに応じて、様々なブロックの方法があります。診察を受けて、その方に最も適した方法を提案いたします。
治療の流れ
1.採血・レントゲン・検査
医師やスタッフによる問診と診察を行います。痛みの症状や治療に関するご希望など丁寧にお伺いします。必要であれば、採血やレントゲンなどの検査を行います。
▼
2.バイタルチェック
診察時の、患者様の血圧や体温、痛みの程度などの体調チェックを行います。
▼
3.神経ブロック
診察の結果、痛みの箇所に応じて、お一人おひとりに最も適した神経ブロック法で治療を行います。
▼
4.安静
ブロック注射の種類によっては、1~2時間程度安静にしていただきます。
▼
5.リハビリ
神経ブロックで痛みを和らげた後にストレッチなどのリハビリを行うことで、より痛みを改善する効果があります。
当院で主に行っているブロック
神経根ブロック
腕や腰から足にかけての痛みがある方の中には、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄による神経の圧迫が原因の方がいらっしゃいます。神経根ブロックは痛みの原因となっている神経の傍に直接ブロック注射をする方法です。レントゲン装置や超音波エコーを用いて、正確に行うことで痛みを和らげることができます。
安静時間:30分〜60分
椎間関節ブロック
ぎっくり腰でお困りの方には、とても効果があるブロックです。ぎっくり腰の多くは背骨にある小さな関節(椎間関節)の障害が原因と言われています。この痛んでいる関節にレントゲンを見ながら直接ブロック治療を行うことで、ぎっくり腰の痛みは直ぐに劇的に改善します。
安静時間:15分
星状神経節ブロック
星状神経節は頚部にある交感神経(自律神経の一つ)です。この部位にブロック注射を打つことで、首の交感神経をブロックし一時的に麻痺させることによって、上半身の血流を改善し、頭・顔・首・胸などの痛みを和らげます。また、自律神経のバランスを整え自然治癒力を高める効果もあります。頭頚部や胸の痛みの患者様や、痛み以外でも顔面神経麻痺、突発性難聴の患者様に行うことで効果が期待できるブロックです。
安静時間:15分
硬膜外ブロック
背中から硬膜外腔と呼ばれる脊椎(背骨)の中にある硬膜の外側の空間に、ブロック注射を打ち、頸部・腰・胸・下半身の痛みを和らげます。一時的に痺れが出現しますので、ブロック後は1~2時間程度の安静が必要です。
安静時間:1〜2時間
トリガーポイント注射・筋膜リリース注射
筋肉や筋膜(筋肉を包んでいる薄い膜)に炎症やコリがある方に行う注射です。特に筋膜リリースという方法は、超音波を見ながら、筋膜の内部(たったの数ミリの空間です。)にお薬を入れ、筋膜の癒着をはがすことで痛みを和らげることができます。細い針を使っていますので、針を刺すときにはそれほど強い痛みはありません。時間も短時間で終わります。
各種末梢神経ブロック
■手のひらが痛い人(手根管症候群)→ 正中神経ブロック
■足が痛い人 → 坐骨神経ブロックや大腿神経ブロック
■腕の痛みがある人 → 腕神経叢ブロック
■太ももの外側が痛い人 → 外側大腿皮神経ブロック
■顔面の痛み → 三叉神経ブロック(末梢)
■肩が痛い人 → 超音波下の肩関節ブロック
など、さまざまなブロックが可能です。患者様の痛みや状態に応じて、ブロック方法を提案いたします。
※血液をサラサラにするお薬を飲まれている患者様の中には、薬の種類によっては、施行が不可能なブロックもあります。必ず、服用されているお薬をお知らせください。